ジャネーの法則の原文を読んだことはありますか?
時間の感じ方について調べると、よく目にする「ジャネーの法則」。英語では「Jane’s law」と呼ばれますが、原文はフランス語です。
Wikipediaでは、
19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則。(中略)簡単に言えば、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例すると主張したものである。
Wikipedia
と紹介されてますが、実際どのように説明されているのでしょうか。
ピエール・ジャネの著書「L’évolution de la mémoire et de la notion du temps」でジャネーの法則について紹介されている箇所を和訳し、確認してみました。
フランス語は全くわからないので、無料の翻訳ツール3種を使い全容理解を目指します。
ジャネーの法則の仏語原文を和訳する
ジャネーの法則が紹介されている著書「L’évolution de la mémoire et de la notion du temps」がネットに公開されていたので、抜粋して翻訳していきます。タイトルは和訳すると「記憶の進化と時間の概念」という感じでしょうか。
フランス語原文
ピエール・ジャネの著書「L’évolution de la mémoire et de la notion du temps」の中でジャネーの法則について言及していそうだったセクションを抜き出しました。(Paul Janetで検索しました)
On a essayé bien des systèmes polir expliquer la mesure du temps. Il y a déjà bien dès années (1876 ou 1878) a paru un article du philosophe Paul Janet, qui a eu sa petite heure de célébrité. Son explication était très ingénieuse et amusante. Il prétend que le présent, le temps que nous vivons, est toujours apprécié par rapport au reste de notre vie. Quand nous sommes un enfant de dix ans, une année de notre vie est le dixième de la vie. Le dixième, c’est une partie importante de la vie ; par conséquent, pour l’enfant de dix ans, une année, c’est très long. Quand nous avons vécu soixante ans et plus, une année n’est plus que la soixantième partie de notre vie ; c’est tout petit, beaucoup plus petit que le dixième. C’est pour cela que les gens qui vieillissent trouvent que l’année est courte. Cette explication ne tient pas devant les faits pathologiques où les choses varient indéfiniment.
Pierre Janet, L’évolution de la mémoire et de la notion du temps, A. Chahine, 1928, p.515
和訳(Google 翻訳)
Googleで「翻訳 フランス語」と検索して出てきた上位3種の無料翻訳ツールを試します。翻訳技術は常に更新されていくので再現性は担保できませんが、一応翻訳ツールを使用した日を残しておきます。
Google 翻訳 2022/01/30時点
多くのシステムが時間の測定を説明するために試みられてきました。 何年も前(1876年または1878年)に、哲学者のポール・ジャネによる記事が登場しました。 彼の説明はとても独創的で面白かった。 彼は、私たちが住んでいる時間である現在は、私たちの残りの人生において常に大切にされていると主張しています。 私たちが10歳の子供であるとき、私たちの人生の1年は人生の10分の1です。 10番目は人生の重要な部分です。 したがって、10歳の子供にとって、1年は非常に長いです。 私たちが60年以上生きてきたとき、1年は私たちの生活の60分の1にすぎません。 それは非常に小さく、10分の1よりはるかに小さいです。 これが、年をとる人々が一年が短いと感じる理由です。 この説明は、物事が無期限に変化する病理学的事実に直面しても成り立たない。
和訳(DeepL翻訳)
世界一高精度な翻訳ツール。英語はかなり精度が高いと評判のDeepLですが、フランス語はどうでしょうか。
DeepL翻訳 2022/01/30時点
時間の計測を説明するために、多くの体系が試みられてきた。昔(1876年か1878年)、哲学者ポール・ジャネットの論文が掲載され、一躍有名になったことがある。その説明はとても工夫されていて、面白かったです。彼は、私たちが生きている現在という時間は、常に他の人生との関係で評価されると主張しています。私たちが10歳の子どもであるとき、1年は人生の10分の1である。10番目は人生の重要な部分である。したがって、10歳の子供にとって、1年は非常に長い時間である。60年以上生きていると、1年は人生の60分の1に過ぎず、とても小さい、10分の1よりずっと小さい。だから、年をとった人は1年が短いと思うのです。この説明は、物事が無限に変化するような病的な事実の前では成り立たない。
和訳(エキサイト フランス語翻訳)
最後はエキサイト翻訳。フランス語対応している無料の翻訳ツールは貴重です。
エキサイト フランス語翻訳 2022/1/30時点
多くの研磨システムは、時間の測定を説明するために試みられてきた。すでに何年も前(1876年または1878年)、哲学者ポール・ジャネットの記事が登場し、彼の名声の小さな時間を持っていました。彼の説明はとても独創的で面白かった。彼は、現在、私たちが住んでいる時間は、常に私たちの人生の残りの部分に関連して高く評価されていると主張しています。私たちが10歳のとき、私たちの人生の1年は一生の10分の1です。10番目は人生の重要な部分です。したがって、10歳の場合、1年は非常に長い時間です。60年以上生きてきたとき、1年は私たちの人生の60番目の部分に過ぎません。それは非常に小さく、10番目よりもはるかに小さいです。だから、年を取りつつある人は年が短いのを見つけるのです。この説明は、物事が無限に変化する病理学的事実に直面しても成り立たない。
英訳(DeepL翻訳)
ヨーロッパの言語を勉強する場合、英語の方が理解しやすいと聞いたことがあったので一応英訳もしてみました。
DeepL翻訳 2022/01/30時点
Many systems have been tried to explain the measurement of time. Many years ago (1876 or 1878) an article of the philosopher Paul Janet appeared, which had its small hour of fame. His explanation was very ingenious and amusing. He claims that the present, the time we live, is always valued in relation to the rest of our life. When we are a ten-year-old child, a year of our life is a tenth of a lifetime. The tenth is an important part of life; therefore, for the child of ten, a year is a very long time. When we have lived sixty years and more, a year is only the sixtieth part of our life; it is very small, much smaller than the tenth. That is why people who grow old think that the year is short. This explanation does not hold in front of the pathological facts where things vary indefinitely.
序数のあたりは英語の方が読みやすいですが、最後の病理学的事実(pathological facts)は英語にしてもよくわかりませんでした。
和訳まとめ
ジャネーの法則が紹介された箇所を日本語でまとめると、
「自分が感じる”今”の時間は、今まで生きてきた時間の長さに影響を受ける。同じ1年でも、10歳の子どもにとっては人生の10分の1であり、60歳の大人にとっては60分の1である。だから歳をとった人には1年が短く感じる。面白い考えではあるが、この説明は、物事が無限に変化するような病理学的場面では成り立たない。」
という感じでしょうか。
Wikipediaがわかりやすく一文にまとめてくれているということがわかったのと同時に、注釈にあった「なお、ポールの説は時間観念に関する諸説のひとつとして批判的に紹介されている。」の一文の意味がわかりました。
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